岐阜県唯一の新幹線駅、岐阜羽島駅(羽島市)。鉄道ファンに「東海道新幹線の秘境駅」と呼ばれることもあるが、ちょっと待ってほしい。乗降客数は、東京―新大阪間の東海道新幹線全17駅中16位で、最下位ではない。最下位は、三河安城駅(愛知県安城市)だ。
だが、来年のNHK大河ドラマの主人公は、徳川家康だという。家康が生まれたのは、岡崎城。その新幹線最寄り駅は……三河安城だ。乗降客数が一気に跳ね上がり、岐阜羽島を抜くかもしれない。しかし、そもそも最下位を脱出するほどのポテンシャルを備えているのだろうか。岐阜県民も気になる三河安城駅に行ってみた。すると、意外にも〝世界〟にちなんだ駅だった。
JR東海によると、コロナ禍前の2018年度の乗降客数(1日平均)は、岐阜羽島が5910人で東海道新幹線全17駅中16位だった。対して、三河安城は3730人で同17位。コロナ禍の21年度も、それぞれ3370人と1966人で、順位に変わりはない。
8月下旬、岐阜羽島から新幹線で三河安城を目指した。駅の並びは、西から岐阜羽島、名古屋、三河安城の順で、互いに名古屋の隣駅だが、岐阜羽島は「ひかり」と「こだま」が止まるものの、三河安城はこだましか止まらない。
岐阜羽島から三河安城まで、こだまで28分。こだまの時間に合わせて岐阜羽島に着くも、駅前の駐車場(1日300円)の事前清算で小銭がなく、もたついているうちにこだまを逃してしまった。次のこだまは1時間後。三河安城にもひかりが止まってくれれば、24分後のひかりで行けるのだが仕方ない。
ただ、別の方法がある。次のひかりに乗り、名古屋で名古屋始発のこだまに乗り換える方法だ。乗り換えの分、所要時間は5分長くなるが、本数が多いため、先に着く。
午後1時過ぎ、ひかり650号が岐阜羽島のホームに入線した。岐阜羽島を出ると名古屋、小田原、新横浜、品川、東京と止まる。「のぞみ」とほとんど変わらない。東京に行くような顔をして乗り込む。ほかの乗客も乗務員も、まさか三河安城に行くとは思うまい。そして、名古屋でこだまに乗り換え、10分。午後1時48分、三河安城に到着した。
三河安城には、何があるのだろう。岐阜羽島は田んぼの中と揶揄(やゆ)されるが、今春、駅の構内に蜜焼き芋の専門店がオープンした。駅前には、すし店や純喫茶があり、ビジネスホテルもいくつかある。少し離れた所には「スターバックス」やラーメン店の「ブタギドラ」をはじめとする岐阜羽島ガーデンモール、もっと先には「コストコ」だってある。企業なら日健総本社や高陽社、文溪堂の本社が近い。過去の本紙を見ると、昔は、岐阜羽島ステーションデパートなる商業施設を併設していたらしい。









