日本から贈られた車いすに乗るタイの子ども(中)=タイ・バンコク、ノックホームスクール(安田さん提供)
安田和夫教授

 岐阜聖徳学園大教育学部教授の安田和夫さん(65)が、重い障害のあるタイの子どもたちに、姿勢が補助できる車いすを寄贈しようと計画している。新品を購入したり、日本で使われなくなったりした車いすを贈る。「家にいるしかないタイの子どもたちに外出する機会を持ってもらい、必要な療育や教育を受けられるように支援したい」と願う。

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 安田さんは特別支援教育が専門。東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別支援教育を調べている。今年の夏、調査のためタイ・バンコクを訪問。そこで、知的障害と肢体不自由を併せ持った子どもたちの多くは外出できず、学校にも通えない実情を知った。

 理由の一つが、車いすが高価で入手が困難であること。重い障害のある子どもが使う車いすは、日本でも15万円から30万円し、多くはオーダーメードで作る。

 もう一つは、通える学校がほとんどないこと。特別支援学校は日本には1100校ほどあるが、安田さんによるとタイには約70校。ほとんどの学校では医療的ケアができない。移動する手段がなく、行き先もないため、家にいるしかない子どもたちが多いという。

 一人の女性は、重い障害のある自身の子どもが亡くなった後にバンコク市内に私立の療育施設を開設した。その女性から車いすについて相談を受け、寄贈を計画した。

 「サイズが合わなくてもいいのか」。安田さんが聞くと、女性は「待っている子どもはたくさんいるので、その車いすに合う子どもに渡す」と答えたという。

 対象は6歳から15歳ぐらいで、姿勢が保持できる車いすや補装具を贈る計画。すでに日本から数台届いているが、足りないという。安田さんは「重い障害のあるタイの子どもたちが外出し、必要な療育、教育を受けられるよう協力をお願いしたい」と話す。