紅葉した山沿いを、夕日を浴びて走る特急「ひだ」=下呂市小坂町門坂

 この時期、取材で岐阜県下呂市内を移動していると、山の広葉樹が色づいていることに気付く。標高の高いところや北から順に紅葉が進んできており、市内でも下呂温泉街を一望できる温泉寺(同市湯之島)では21日までの予定で紅葉のライトアップが行われている。

 国道41号沿いでも、カメラを構えた人の姿を見かける。市内の41号は飛騨川沿いを通る。同じく、飛騨川沿いを通るのがJR高山線。列車と紅葉をカメラに収めようという人々だ。

 高山線の線路は、山と川に沿った区間が大半。構図を工夫すれば「絵になる」ところは随所にある。自分も取材先に向かう途中などで撮影する人を見かけると「ここでも撮れるのか」と知ることは多い。

 自然の中で写真を撮るということは、天候に左右される事柄でもある。紅葉に限らず、桜の開花や新緑といった、その年々の気象条件とタイミングが合うかどうか。さらに日光の照り具合も重要だ。

 11月上旬の夕方、下呂市小坂町で撮影しようと向かった。同町門坂の飛騨川沿い。昨年7月の豪雨災害以降、何度も取材で訪れている一帯だ。山の影が列車にかかるかどうかという時間帯。他にも撮影する人の姿があった。夕日が当たるかどうか、数分の差が大きい。やってきた名古屋・大阪行きの特急「ひだ」のキハ85系のステンレス車体が黄金色に輝いた。

 2022年度からは後継のハイブリッド車両HC85系が登場する。キハ85系と飛騨地域の自然を堪能できる時間は、残り少ない。周囲の安全に気を配りながら記録と記憶を残したい。