岐阜県山県市は22日、美濃国守護の土岐頼芸(よりのり)が16世紀前半に築いたとされる市内の大桑(おおが)城跡の発掘調査の結果、古城山山頂付近にある「台所」と伝わる同城最大級の曲輪(くるわ)(平たん地)で、庭園と建物とみられる遺構が見つかった、と発表した。郡上市の篠脇城跡とともに、山城のある山の上に築かれた庭園が確認されたのは県内で初めて。滋賀県立大の中井均名誉教授(日本城郭史)は「建物と庭園がセットで確認されたことは、大桑城の構造を考える上でも、山城の守護所の在り方を検討する上でも極めて重要な発見」としている。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」山県市は昨年度から発掘調査を実施し、本年度は台所と近くにある約30カ所の曲輪群の計約90平方メートルを対象に、9月から12月3日までの予定で行っている。
台所は江戸時代の絵図に記されるが詳細は不明。曲輪は約500平方メートルで、池とみられる跡が確認され、池の周囲に敷き詰められた直径約3センチの多数の黒色の玉石のほか、側面に黄白色の土、底部では水の侵入を防ぐための土も見つかった。白色などの玉石も複数箇所で発見され、庭園があったとみられるという。
また、建物の柱を設置した跡とみられる平らに削られた岩盤も2カ所発見。陶磁器片なども多く見つかり、土岐氏が生活していた建物があったとみられる。
市教育委員会によると、庭園と建物は土岐氏が整備した可能性が高いという。担当者は「山上の城で、政治を行いながらも美しい庭を備えた建物で過ごすという、土岐氏の優雅な暮らしぶりの一端が明らかになった」としている。
一方、曲輪群は緩傾斜の谷地形を利用し、平たん地が棚田状に分布。今回、16世紀前半の中国や国内の陶磁器や素焼きの皿のかけら250点以上が出土。土岐氏に仕えた重臣が居住していた可能性が高い。
今回の調査では、庭園や建物の規模などは不明で、来年度も発掘調査を続けて詳細を調べる。
市は28日午前10時から午後2時まで、台所の発掘調査現場の一般公開を行う。曲輪群はアクセスが危険なため公開しない。














