164勝目を飾り、笠松年間最多勝の歴代記録を塗り替えた渡辺竜也騎手(中央)

 「来たー、新記録だ」。初リーディングの渡辺竜也騎手(22)が年間164勝目を飾り、笠松歴代最多勝記録を塗り替えた。レジェンド・川原正一騎手(兵庫)が笠松時代にマークした163勝を超えたのだ。年明けには名古屋の4歳馬に騎乗し、重賞・名古屋記念を制覇。笠松勢として好スタートを切った。
  
 1996年、アンカツさん超えで歴代最多勝と初リーディングを獲得した川原騎手。オグリローマンやライデンリーダーが中央のGⅠ、GⅡを制覇した笠松競馬黄金時代の埋もれていた記録を発掘。光を当てることで渡辺騎手の闘志に新たな火が付いた。
 
 年末特別シリーズ、最多勝へのカウントダウンは「あと3勝」に迫っていた。初日の1、4Rを連勝してタイ記録まで「あと1」。驚異的なハイペースで勝利を量産。この日はまだ6戦も残しており「やばい、きょう並んで追い越しちゃいそうだ」と慌てて笠松競馬場へ駆け付けた。

ハーイに騎乗して163勝目を挙げ、最多勝記録に並んだ渡辺騎手(笠松競馬提供)

 ■ハーイで163勝目に並んだ、黒沢騎手とのワンツー連発

 その後は2着2回で迎えた10R。5番人気・ハーイ(笹野博司厩舎)に騎乗し、軽快なフットワークで逃げ切り。「あー、いった」と歓声が上がり、川原騎手の記録に並んだ。半馬身差2着の黒沢愛斗騎手・クインズミントは11番人気で、馬単7万4260円と大波乱。この日、渡辺騎手は黒沢騎手とは4R、9Rに続いて3回目のワンツー(9Rは渡辺騎手2着)。自厩舎の馬に7頭も騎乗した渡辺騎手。「うちの馬で記録達成を」という笹野調教師の親心が感じられた。3勝の「猛打ショー」で一気に並び、最終11Rで新記録に挑んだが、4着で初日は打ち止めとなった。
 
 最多勝に並んで「ハーイですよ」と笑顔の渡辺騎手。笠松開催は中1日の休みを挟んでおり、「黒沢さんと行く焼き肉が楽しみです」とラスト3日間に備えてリラックスムード。最多勝タイの3勝目については「狙っていたというよりは、レースで乗れば全部勝ちたいから」と常勝を求められるリーディングならではの一言。

 ハーイは浦和からの転入初戦。ここ3戦は2桁着順が続いていたが「逃げて好成績だと聞いてたんで、その通り逃げようと。記録は意識してここまで来ましたが、いつもと変わらないです」。V量産については「たくさん勝たせてもらって、先生たちのおかげですよ」と感謝。モチベーションもかなり上がっていたが、プレッシャーには感じていないようで「目標として掲げてきましたが、やることは変わらないし、どのレースも勝とうと乗ってます。あさって決めちゃうつもりで頑張ります。たくさんのお客さんに見てほしいです」。最多勝更新は目前となった。
                         

ホウオウカグヤに騎乗し、レジェンド超えの164勝目を飾った

 ■ゴール前、背中押すファンの応援届いた

 初日の観客は762人だったが、2日目には3000人近くが来場。大勢のファンの前で新記録はいきなり達成された(昨年12月29日)。2R、やはり笹野厩舎のホウオウカグヤに騎乗し、2番人気で好位からの差し切り勝ち。このレースでも逃げた黒沢騎手とのマッチレースで最後のたたき合いを制し、同厩舎のジュンバレットに4馬身先着した。

 ゴール前では、その瞬間をライブで味わおうと詰め掛けたファンが熱狂。「渡辺騎手&ホウオウカグヤ」が4コーナーから最後の直線を向くと「これは、いけるぞ」。ラスト100メートルを切って人馬が抜け出すと熱気は最高潮。ファンの歓声も人馬と一体になってゴールを駆け抜けた。渡辺騎手の背中を押す熱い応援が届き、うれし泣きする女性ファンもいた。
 
 実況アナも大興奮。「渡辺騎手164勝。歴史の扉をいま開ける、ゴールイン! 川原騎手がマークした163勝を超えました」と最多勝記録を26年ぶりに更新した瞬間を伝えた。渡辺騎手は昨年10月までに笠松で123勝を挙げていたが、11月には23勝、12月には18勝。2カ月間に41勝の猛スパートで新記録を達成した。ファンや厩舎関係者の注目度は高かったし、何よりも目標を成し遂げようとする渡辺騎手の前向きな姿勢が素晴らしかった。

記録更新の喜びなどを語った渡辺騎手

 ■ヒーローインタビュー「意外とあっさり、ホッとしています」

 4R後には装鞍所エリアの外へ渡辺騎手に来ていただき、ヒーローインタビューとして喜びの声を聞いた。
 
 ―新記録達成おめでとう、すごいね。今の気持ちは。      
 「ありがとうございます。意外とあっさりでした。ホッとしています。(いつも最初のレースに強いが)たまたまですよ。やっぱり1発目に勝つと心に余裕ができるから」

 ―「歴史の扉をいま開ける、ゴールイン!」という実況の声は聞こえましたか。
 「いや多くは聞こえてないです。なんか言ってるなと。すてきな言葉をありがとうございます」          

 ―最多勝を決めた2R、笹野厩舎は3頭出し。先生には調教も良かった5番の馬(1番人気)を推されていたそうですね。
 「先生からどれに乗るかと聞かれて、僕の中では8番の馬(2番人気)かなあと思っていて選ばせてもらった。担当の厩務員さんとも仲良くさせてもらっていて。(選んだ理由は)いやあ、勘です。前回乗ったいいイメージが強くて、枠(大外)や巡り合わせも良かった」
 
 ―黒沢騎手とのワンツーが多かった(あと1、タイ、新記録で黒沢騎手が2着)
  「黒沢さんは(期間限定騎乗を終えて)すぐ帰っちゃうんで残念です。前回、けがやコロナの影響があって、すれ違いでしたが、今回やっと一緒に乗れて良かった。初日のレース後にご飯を食べに行って『記録の前祝いだねー』と言われた。(達成したレースでは)2着に黒沢さんが来てくれて、うれしかった。共に自厩舎の馬でしたから。3着の今井さん(今井貴大騎手)ともすごく仲良くさせてもらっていて。印象深いレースになりました」   

ホウオウカグヤを囲んで、騎手仲間らと

 ■「けがなく、たくさん馬に乗った1年でした」

 ―勝ったレースを振り返って。2番手からでしたね。
 「(騎乗したホウオウカグヤは)ゲートの中でおとなしい馬じゃなく、立ち遅れてしまった。黒沢さんがハナに行くの見て、射程圏に入れて2番手で行った方がいいかなあと。相手も同厩舎で2着に残すこともできて、そういう面では良かった」

 ―最後はいい追い比べになったが。見る目があって選んだ馬が正解だったね。
 「手応えが楽だったんで良かったです。あれが内枠だったら違ってきたが、外枠で良かったです」

 ―コースの内に砂を補充していたが、馬場状態は逃げ有利。みんな前へ行くのを意識していたのか。
 「前が残ってますね。夜中に馬場が凍るようになって、やや湿っているんで。脚抜きは良かったり、悪かったり。前へ行くのは、みんな『がむしゃらに』というほどではないです」

 ―6年目での初リーディングの感想は。
 「リーディングだからといって、特別に変わることはないですけど、何かいろいろとあった6年だったなあと思います」

 ―不祥事など逆風があった。復帰後の『けがなく無事に1年過ごしたい』という目標は達成できたのでは。
 「けがなくここまで来られたのは、良かったなあと思いますし、(新しくなった)名古屋競馬場にもたくさん行かせてもらい、たくさん馬に乗った1年でした」
                     

パドックから返し馬に向かう渡辺騎手

 ■東海ダービーで学んだ「余裕」「冷静さ」

 ―土日以外は毎日のようにレースで乗っているね。
 「毎日頑張っていますが、そうやって乗せてもらうことは幸せなことだと思ってます」

 ―名古屋の方がレースで穴をあけて、馬券的には高配当も多いね。
 「名古屋は乗りづらいというか、馬場が特殊。オープンして間もない時とか、砂もモコモコでしたし、今だって内を大きく空けてます。ですから逆に人気馬でもそんなに自信を持って乗れない感じですね。どこの位置がいいとか、笠松とは流れが違って乗り方も違う。直線距離も延びたし、そういった乗りづらさで穴馬が来ちゃたりするんだなあと」。

 ―(イイネイイネイイネでの)東海ダービー2着が大きな転機になった。その前は45戦も勝てない時もあったが、流れが変わったのでは。
 「自分にとってすごく勉強になりました。今でも3コーナーから鮮明に覚えていますし、忘れられないレースとはこういうことだと学びました」

 ―どういったことが勉強になったのか。
 「自分の心の持ちようというか、レース中の『余裕』です。油断じゃない『いい余裕』ですね。それが大事だなあと。やっぱり『冷静さ』というか」

 ―新年に向けてはどうですか、東海ダービーとか勝ちたいレースは。
 「まだ特に明確な目標は立っていないです。この重賞を勝ちたいとかは特に考えていないかな」

 ―ファンは地元の重賞をもっと勝ってほしいと願っている(ウイナーズサークルで会いたいと)。
 「もちろん僕も勝ちたいですが、なかなかね。馬の巡り合わせもあるかなと。重賞レースには、そんなにこだわっていないが、やっぱり勝ちたいですね」

 ―東海ゴールドカップはどうか。
 「イイネイイネイイネではなく、ラブアンバジョを選びました。(9連勝中で)どこまで行くのかなあと。脚元がもうちょっと安定してきてくれると、安心して攻め馬も乗れるんですけど」  

ラブアンバジョで東海ゴールドカップに挑んだ渡辺騎手。後方はイイネイイネイイネに騎乗した川原正一騎手

 ■「新年も笠松競馬が1年間、無事開催できるよう応援を」

 ―イベントでも頑張ってますね(騎手部会副会長として)。ファンにメッセージを。
 「笠松競馬が1年を通して無事に開催できたのは、3年ぶりかな。ファンの皆さんのおかげで、ありがとうございます。新年も笠松競馬が1年間、無事開催できるよう応援してもらえるとうれしいです」

 ―長江慶悟騎手が「渡辺騎手は笠松競馬盛り上げ隊の隊長」だと言っていましたよ。
 「あいつも明るくなってきたんで。若手がもっとピックアップされ、成長していってくれるとうれしいです」

 ―レースが順調に開催されれば、もっと勝てるのでは。
 「最多勝更新を目指して、けがをしないよう頑張ります」

 年末の重賞戦線にも挑んだ渡辺騎手。ライデンリーダー記念は1番人気・セイジグラットで先行したが8着、東海ゴールドカップは3番人気・ラブアンバジョで出遅れ、追い上げたが7着に終わった。2戦とも名古屋勢にVをさらわれ、悔しさも味わった。

 ■川原騎手がサプライズ参戦、ナムラゴローで5727勝目

 最終日には、笠松での29年間に地方通算2856勝を挙げた川原正一騎手が、タイミング良く東海ゴールドカップなど2レースに参戦してくれた。渡辺騎手に最多勝記録を更新されたが、笠松コースを知り尽くした大ベテラン。この日は園田開催もあったが、イイネイイネイイネ(田口輝彦厩舎)に騎乗するため、笠松を選択してくれた。

 川原騎手は、8Rでは2番人気・ナムラゴロー(田口厩舎)に騎乗し、逃げ切った。「笠松ではこう乗るんだよ」とお手本を示す好騎乗で、名古屋からの1番人気馬を完封。63歳のレジェンドが、地方通算5727勝目を飾って健在ぶりをアピール。笠松時代から縁が深い吉田勝利オーナーに勝利をプレゼントした。「さすがは川原騎手」と名人芸ともいえる円熟の逃げで、関係者をうならせた。応援していた名手が、古巣のコースでよみがえったかのようで、ゴール前で歓喜に浸らさせてもらった。         

東海ゴールドカップのパドックで隣同士となり、渡辺騎手に声を掛ける川原騎手(右)

 ■「1枠・渡辺騎手」「2枠・川原騎手」隣同士で笑顔

 大みそかの東海ゴールドカップでは、渡辺騎手が主戦だったイイネイイネイイネに、川原騎手がサプライズ騎乗し2番枠。ラブアンバジョ騎乗の渡辺騎手が1番枠で、お互い隣同士になった。マイクロバスを降りたジョッキーたちのパドック前整列では、2人が笑顔で声を掛け合うようなシーンもあって、楽しそうだった。

 全レース終了後、渡辺騎手に「川原さんとは隣の枠だったが、何か話したのか」と聞くと、「イイネイイネイイネの癖ぐらいですね。特にはしゃべってないですよ。記録更新についても何も言われてないです。1個抜いたぐらいじゃお恥ずかしいし、まだまだ追い付けないですよ」と笠松の大先輩を敬愛。新年への意気込みについては「またけがをせずに1年を終わりたいです。記録更新はそんなに簡単じゃないですよ」とも。

 最多勝更新後の2日間、165勝目はならなかったが、けがなく無事に1年を締めくくった。藤原幹生騎手らに「来年はもっと勝つんですか」と冷やかされながら、健闘をたたえ合った。勝利量産は、騎手不足でいい馬が多く回ってきたこともあるが「みんな同条件ですからね。いくつ勝っても満足できないですよ」と。厩舎サイドの信頼が厚くて、騎乗依頼も多い渡辺騎手。昨年は名古屋、金沢も含めれば189勝で、全国リーディング10位にランクイン。今年はジョッキー戦など全国区での活躍もありそうで、ファンが期待する「200勝超え」は十分に狙えそうな数字だ。先生である笹野博司調教師は、笠松170勝で全国リーディング2位に躍進。注目馬・オマタセシマシタ(お笑いトリオ「ジャングルポケット」斉藤慎二さんの愛馬)も笹野厩舎に転入し、1月末の開催では渡辺騎手とのコンビで人気を集めそうだ。           

メルトで豪快に差し切り勝ち。名古屋記念を制覇した渡辺騎手(名古屋競馬提供)

 ■渡辺騎手初笑い、メルトで名古屋重賞初V

 年をまたいでも渡辺騎手の勢いは止まらない。今年2戦目となったのが名古屋記念(SPⅠ、1500メートル)。5番人気のメルト(牡4歳、角田輝也厩舎)に騎乗し、豪快な差し切り勝ちで初笑い。意外にも名古屋では初めての重賞Vとなった(通算7勝目)。

 年末には、渡辺騎手に「重賞をもっと勝って」と奮起を促したが、年明け早々に一発回答。V字の勝負服は1着ゴールが良く似合う。出遅れ癖がある馬で最後方からの競馬になったが、慌てずゆったりと追撃。向正面から進出を開始し、3~4コーナーではグングン加速し一気に先頭集団へ。大外を回って、前を行くブンブンマル=加藤聡一騎手=に迫ると、最後にグイッと一伸び。キレッキレの豪脚で突き抜けたメルトが半馬身差でゴールイン。2着にブンブンマル、3着はメイショウシルト=岡部誠騎手=。1番人気の重賞5勝馬・トミケンシャイリ=今井貴大騎手=は6着に終わった。 

名古屋記念Vで、角田輝也調教師とグータッチを交わす渡辺騎手(名古屋競馬提供)

 ■名古屋のファンに「笠松競馬へも応援に来て」

 レース後の「ウイニングラン」では、笠松でもおなじみの今井騎手らに声を掛けられ、渡辺騎手の右手が高々と上がった。珍しく派手なアクションで、喜びを爆発させた。愛馬を優しくなでながら、検量室前に戻ってくると、角田調教師と笑顔でグータッチ。勝利騎手インタビューでは「うれしいです。自分の乗り馬ではなかったので、乗せていただいた関係者の皆さんに感謝しています。笠松競馬にも遠征に来て、強い勝ち方をしていた馬で、力を信じて乗りました」。
 
 レース運びは「スタートは得意でなく、後方からの競馬になるなと。向正面まで岡部さんが前にいたので、大先輩を追い掛けていった。手応えが良く、最後の直線でかわせると4コーナーを回った。昨年キャリアハイでしたが、今年も自分の記録を超えられるよう頑張りたい。10日からは笠松競馬も始まるんで、応援に来てください」と呼び掛けた。ファンからは「竜也やるなー! 笠松じゃなくても乗れるね」「記録更新目指して、けがなく突き進んで」といった声も。今年も笠松・名古屋、そして全国区のステージで成長していく姿に注目していきたい。

東海ゴールドカップ1周目スタンド前。川原騎手・イイネイイネイイネ(2)が逃げ、激しい攻防。丸野勝虎騎手・ウインユニファイド(9)が制覇した

■東海ゴールドカップはウインユニファイド制覇

 ライデンリーダー記念や東海ゴールドカップの熱戦、グルメ&お楽しみイベントでも、笠松競馬の年末特別シリーズは盛り上がりを見せた。

 豪華メンバーとなった東海ゴールドカップ(SPⅠ、1900メートル)。川原騎手が騎乗したイイネイイネイイネが逃げて、1周目のゴール前後では馬群がギュッと凝縮して激しい攻防。4コーナーで先頭を奪った2番人気・ウインユニファイド(牡10歳、沖田明子厩舎)=丸野勝虎騎手=が、最後は押し切って重賞3連勝。オグリキャップ記念2着の実力を発揮した。2着はアンタンスルフレ、3着はロッキーブレイヴで名古屋勢が上位独占。東海3冠馬のタニノタビトは4着、イイネイイネイイネは5着に終わった。

 激戦を制した丸野騎手は「ペースが遅く、みんな探りを入れながらで面白いレースになって、強い競馬ができた」。翌日には11歳になったウインユニファイド。馬体も若々しく「高齢ですが、まだまだ頑張ってほしい」と活躍を期待した。

 ライデンリーダー記念(SPⅠ、1400メートル)は北陸・東海地区の2歳王者決定戦。大井から出張してくれた東京トゥインクルファンファーレの生演奏が高らかに響き渡り、若駒12頭がゲートイン。2番人気のエムエスドン(牡2歳、竹下直人厩舎)には岡部誠騎手が騎乗。3コーナーで先頭を奪うと、ラストは笠松・ヒロチャンの追撃をしのいで重賞初V。逃げた1番人気・セイジグラット=渡辺竜也騎手=は3コーナーで失速。ヒロチャンが2着、メイクストームが3着で地元勢の意地を見せた。岐阜新聞・岐阜放送杯(3歳オープン、1600メートル)は藤原幹生騎手が騎乗したダイナミックリュウ(牡3歳、川嶋弘吉厩舎)が1番人気に応えて5連勝で制した。  

ライデンリーダー記念で響き渡った東京トゥインクルファンファーレの生演奏

 ■地方競馬1兆円突破、笠松も復興の兆し

 大みそかまでの4日間で1万人以上のファンが笠松に来場し、馬券販売は24億円超え。家族連れの姿も多く、場内の飲食店前には長い行列ができて大繁盛。使用済みゼッケンのプレゼントやトークショー、軽トラ市などもあり、家族やグループで楽しめる健全な娯楽施設としてにぎわった。

 昨年1年間、地方競馬全体での馬券の売得金額は1兆651億円(速報値)で、史上初めてとなる1兆円の大台を突破した(地方競馬全国協会)。インターネット投票が大半を占め、地方競馬はこの10年間でV字回復を果たしてきた。一連の不祥事で苦境に立っていた笠松競馬は、公正競馬の徹底でファンヘの信頼回復に努め、復興の兆し。新年は、まず渡辺騎手の名古屋重賞初Vという明るいニュースでスタート。「初めてリーディングを取れて、目標とした歴代最多勝も達成できました。また一つ大きくなれるように精進します」とのコメント通り、今年も飛躍の年になりそうだ。