ライデンリーダー記念は金沢エムティアンジェV、笠松のドミニク4着

 もう一つの年末重賞・ライデンリーダー記念(SPⅠ、1400メートル)では、栗原大河騎手騎乗の金沢・エムティアンジェ(佐藤茂厩舎)=1番人気=が3~4コーナーで先頭を奪い、押し切り勝ち。ラブミーチャン記念に続いて笠松2歳重賞で連勝を飾った。2着は名古屋のアップテンペスト(井手上慎一厩舎)、3着は金沢のボサノヴァ(中川雅之厩舎)。前年から牡馬にも開放され、北陸・東海地区交流となって好メンバーがそろったが、成長が早い牝馬が上位を独占した。

ライデンリーダー記念を制覇した金沢・エムティアンジェと栗原大河騎手ら喜びの関係者

 「また笠松で強いエムティアンジェを見せられて良かったです」と栗原騎手。レース展開では「一番嫌なのは包まれることでした。内が重くて、外を回っても大丈夫だと思い、コーナーで動かしました。最後までよく踏ん張ってくれた」と愛馬をたたえ、重賞は4勝目。「(飛躍は)笠松競馬場のおかげだとも思うので、もっとこの馬と一緒に成長できたらいいです」と全国の重賞戦線への夢も広げていた。
 
 地元・笠松期待のドミニク(後藤正義厩舎)=3番人気=は末脚を伸ばしたが、2馬身余り届かず4着に終わった。次走で巻き返して東海ダービーへとつなげたい。深沢杏花騎手は自厩舎のパステルモグモグで重賞挑戦。最後方からの追走で9着どまりだったが、末脚は一番のタイムだった。

復帰2戦目で勝利、長江騎手「安心が一番」

 若手ジョッキーたちにも、年末開催での騎乗ぶりを聞いた。

 昨年9月のレースで落馬し、負傷療養中だった長江慶悟騎手が12月27日に復帰。2戦目(29日)で待望の勝利を飾った。セルクルクルミ(川嶋弘吉厩舎)に騎乗し、3コーナーで先頭を奪うと、快調なピッチで押し切った。デビューから1年3カ月。不祥事によるレース自粛と、けがによる2度の戦線離脱で騎乗数は少なかったが、昨年1月以来となる2勝目。年末開催は4日間で3鞍のみの騎乗だったが、年内にうれしい「復活V」を飾ることができた。

セルクルクルミに騎乗し、復帰後初勝利を飾った長江慶悟騎手(笠松競馬提供)

 ―慶悟君、元気ですか。勝てて良かったね。

 「はいどうも、元気です。勝てたんですごく安心しました。安心が一番ですよ」

 ―復帰2レース目で勝ったから、すごいよね。

 「まあ、たまたまですよ。勝てる馬を回してもらっただけですから」

 ―1番人気ではなかったけど、4コーナーを回って勝利を意識しましたか。

 「2番人気でしたね。正直言うと、1コーナーで3番手につけた時点で『これは来たかなあ』と思いました。直線を向いてからは(後ろから)来ないで、来るなと思ってましたけど、(1馬身半突き放して)もう大丈夫、勝てたと」

 ―けがの方はいいの?

 「そうですね、だいぶん。もう痛みもないですしね。体幹とかを鍛えないとね。柔軟性がないから、けがをするって」

 ―騎乗したレース、家族は見に来てたのかな。

 「(勝った日には)来ていたか分からなかったけど、きょうは居ましたよ。だって『長江ー』とか言われたんでね」

 長江騎手が勝利した日、ご両親は堤防からレースを観戦していたそうだ。遠くからではあったが、1着でゴールする晴れ姿を見せられて良かった。

 東川慎騎手もこのところ好調だ。

 ―最近、毎日勝ってるね。すごく乗れててブレークしてますね。

 「たまたまですよ。冬場だからですよ。馬が元気だから」

 ―大外枠の時とか、いいよねえ。

 「今回の馬場は外枠の方が有利だと。多分ちょっと軽いんですよ、外の方が」

 ―体は鍛えているの? よく勝てるようになったけど。

 「馬がいいのでね。厩務員さんが優秀な人が多いんですよ」

 深沢杏花騎手も最終日第1Rで鮮やかな勝利を飾った。「(年内に)もう勝てないかと思っていたんで良かったです。(騎乗したサンジョノコが)休養明けでちょっと不安でしたが、800メートル戦で逃げ切れた。一瞬つかまるかと思いましたが、最後に伸びたんで、もう大丈夫だと」とうれしそうだった。今年はフルに活躍してほしいし、2月18日、名古屋でのレディスジョッキーズシリーズ最終戦でも上位を目指したい。

 昨年、全国調教師リーディング2位だった角田輝也厩舎所属の細川智史騎手も参戦。「笠松はどうですか」と聞くと「楽しいです。笠松ではまだ1回しか勝っていないですけど」と奮戦中。笠松、名古屋ともに若手が増えており、お互い競い合って一人前のジョッキーへと成長していきたい。

 負傷療養中だった若手エース・渡辺竜也騎手は年明けから攻め馬を再開した。まだ時間はかかりそうだが、レース復帰を待つファンは多い。またバリバリ乗って勝ち星を量産し、昨年逃したリーディングの座を目指したい。