岐阜県海津市と安八郡輪之内町の境を流れる川です。水害と闘った西濃地域南部の歴史を凝縮したような歩みをもっています。

 長良川の水流を揖斐川に流す洪水調整のため、1619(元和5)年に人工河川として掘られたのが始まりです。ところが、何度も破堤したり、揖斐川流域の危険度が増したりしたため、堰(せき)の築造などさまざまな対策が講じられました。しかし解決には至らず、ついに1899(明治32)年、河川改修の一環として長良川側が締め切られ、現在の流れになりました。

 「クレ」の語源は「クル(転)」や「エクレ(浸食)」などが考えられ、大きく曲流する流路を示しているという説や、木材を指す「榑(くれ)」から、増水時に流木が流れ着くことが多かった地勢を由来とする説があるようです。現在は残された堤防が桜の名所として親しまれています。

【答え】おおぐれがわ