夏休みまっただ中。小中学生を育てる親にとって、悩ましいことの一つが子どもの昼ご飯ではないでしょうか。メニューを考えて、買い物をして、作って、食べさせて、片づける。かわいいわが子のためとはいえ、これが約40日間続くとなれば、気も重くなります。共働きの家庭であれば、弁当を作って置いておくということもあるでしょう。猛暑を乗り切るために取りたい食材や献立のアイディア、食中毒予防のポイントなどをまとめました。

■優れた給食の栄養バランス

 学校給食は育ち盛りの子どもがいる親の強い味方。栄養バランス、量ともに、献立作りのプロである栄養士が考え抜いたもので、家庭でこれを再現するのは難しいものです。

 給食の内容は文部科学省が策定した学校給食摂取基準に基づいており、家庭の食事では不足しがちな栄養素を多めに摂取できるよう配慮もされています。

 実際に、学校給食の有無による栄養の摂取状況の違いを調べたデータがあります。厚生労働省が管轄し、2014年に行われた日本の小中学生の食事状況調査です。

 児童生徒の食事記録を基に、各栄養素の摂取量が基準に適合しているかを調べたもので、おおむねどの栄養素も、給食のない日はある日に比べ、基準に適合していない子どもの割合が高いことが分かりました。

 特に、タンパク質やビタミン類、カルシウム、鉄などは不足、脂質や食塩は過剰による不適合だと指摘されています。

 給食と同レベルの栄養バランスは難しいですが、猛暑に負けない体をつくるために意識して取りたい食材は何でしょうか。

記事後半では昼ご飯にぴったりな献立のレシピや食中毒を防ぐポイントを紹介しています。

■トマト、キュウリ、豚肉がお薦め

 あんどう内科クリニック(岐阜市東駒爪町)の安藤大樹院長がまず挙げるのは夏野菜です。「夏野菜は水分量が多く、夏バテ予防にはとても良いです。特に、トマトに含まれるリコピンの抗酸化作用は、紫外線によるダメージから体を守ってくれます。カリウムが豊富なキュウリもお薦め。オクラ、ゴーヤなどもぜひ積極的に取ってください」と話します。

トマトやキュウリ、豚肉など夏休みの献立に取り入れたい、夏バテ対策におすすめの食材

 また、タンパク質と疲労回復を助けるビタミンB1が同時に取れる豚肉も代表的な夏バテ対策食材です。...