―昨年を振り返って。

 はからずも旭日単光章受章という栄誉に浴しました。これもひとえに皆さま方のご指導ご支援の賜物(たまもの)と深く感謝申し上げます。

 医療用臓器によるシミュレータ「タナックトレーニング」は、学会や展示会での販促活動を積極的に行ってきたことで認知度が高まり、おかげさまでコロナ後は売上が5倍に増加。昨年もいい業績を上げることができました。

 ―医療分野の事業について。

 東洋系評価用模擬骨「タナックボーン」は、世界トップレベルの外資系メーカーと取り引きができる体制が整い、販売拡大に努めていきます。それに伴い、今年は新たにテクノプラザの実証室を活用し、さらなる研究に着手。3年を目途に、模擬骨専用の新工場も建設したいと考えています。また、岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科と共同で行っている犬の臓器や骨のシミュレータ開発も、今後は動物愛護の観点から重要性が増すと見ており、さらに力を入れていきます。

 ―ヘルスケア部門について。

 長年、女性活躍の場としてきたヘルスケア部門は、TVショッピングで好評を博し、年間15万枚を売り上げている「タフシロン」人工筋肉膝サポーターを中心に売上を伸ばし、ついに目標達成を実現できました。独自開発素材「クリスタルゲル」は、靴メーカー「マドラス」のインソールにも採用され、知名度向上にもつながっています。

 ―今年の抱負を。

 創業30周年の節目の年。開発を進めてきたシリコーン製ロボットハンドは、大手企業と契約を結び、食品関連工場を中心に海外展開も視野に入れています。また、東京大学ベンチャーと協働で衛星部品の開発にも着手しており、航空宇宙産業も新たな事業として注力します。また昨年、健康経営優良法人を取得しており、今年はブライト500認定を目指していきます。