―昨年を振り返ると。
厚生労働省の「地域がん診療連携拠点病院」に指定され、がん診療体制の強化を図っています。また、医療圏の枠を超えた医療体制の構築に向けて、当院と海津市医師会病院、美濃市立美濃病院で、地域医療連携推進法人「美濃国地域医療リンケージ」を立ち上げ、お互いに連携して医療スタッフの派遣を行える関係を築きました。
―新館建設の進捗(しんちょく)は。
病院南館西側に6月完成予定です。人間ドック・検診センターを現在の約2倍の面積で移設して、最新式のがん放射線治療装置「ラディザクト」が導入されます。腫瘍の形に合わせて複雑に線量分布でき、線量を低く抑えて患者の負担を軽減できます。生活習慣病患者さんに健康指導を行うフィットネスクラブも開設します。医療費控除を活用できて、医師の運動処方せんに基づいた運動療法を行います。また、疾病予防施設(医療法42条施設)としての役割も担います。
―手術支援ロボットについては。
腹腔鏡手術支援ロボット「ANSUR(アンサー)」を国内で3番目、県内では初めて導入しました。通常の腹腔鏡手術では医師が3人必要でしたがロボットが鉗子や内視鏡カメラの操作を行うので、1人での手術が可能になり、医師の労働時間短縮にもつながります。8月に初めてアンサーを使った手術を行い、これまでに15件(11月20日時点)を手がけました。
―専門の産婦人科に関しては。
出産数が減り、少子化が進む一方、不妊治療を受ける患者数は増えています。保険が適用されるようになったことで、以前よりも不妊治療を受けやすい状況になっています。
―今後の展望については。
ステップアップとして、救急医療により力を入れていきます。また、地域の人たちの健康をサポートする、日本一の民間病院を目指します。
