-ご自身の考える美術品の楽しみ方は。

 上質な美術作品は、からだ全体で楽しめ人生を豊かにします。どんな絵を買ったらいいのかが話題になると、しばしば「自分の好きな絵を買うのが一番」と言われます。しかし、好きなものを買うにしても、まずは文献を読んだり人から話を聞いたりして、その作家さんのことを調べて、納得した作品を手に入れるのが肝要です。そして、その絵は自宅や職場などの常に見えるところに掛けておいて「からだ全体で絵を見る」ことが大切です。

 美術館で見る絵も素敵(すてき)ですが、人間は立っていても、ソファに座っていても緊張しています。自宅では、よりリラックスして絵を見られますから「からだ全体で作品の良さを感じ取る」ことができます。そういう意味では「一緒に暮らしてみたいと感じる絵を購入するのが一番いい」と思います。

 自宅で繊細な朝の光の中で感じる絵の表情、昼の明るい光による表情、良い絵ほどいろんな表情を見せてくれます。作品と一緒に生活して、作品からのシャワーを浴びていないと分かりません。美術館とは違った鑑賞です。画廊巡りや美術館巡りをして、自分の持っている作品との比較も楽しいものです。自身の所蔵作品が審美眼の物差しになります。美術品に関する良い相談相手も必要です。

 -地元柳ケ瀬の今後については。

 弊社のある柳ケ瀬商店街では4月、就任時35歳と若く、エネルギーある水野琢朗氏が岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会の理事長になりました。岐阜高島屋の閉店もあり、もはや一時しのぎのリノベーションでは街を活性化できません。街の歴史・人の歴史も含めたランドスケープを目指して都市設計しなければならず、一時しのぎのばんそうこうを貼っている場合ではありません。水野新理事長を助けながら新しい柳ケ瀬を切り開いていきます。