―昨年のトピックスは。

 昨年10月、新たな本社屋が完成しました。今回は、事務所のあった場所に配送センターを拡張し、新社屋の2階にはショールームや商談室、従業員食堂を設けたほか、壁面の塗り替えや駐車場の舗装などの改修も実施。さらに夏の暑さ対策として、屋根を耐熱二重構造にし、配送センターには空調設備と外気の流入を防ぐ自動シャッターを導入しました。快適な職場環境を整えたことで、従業員のモチベーションも高まったと感じています。

 ―新ショールームについて。

 リニア開通後、関東圏のお客さまの日帰り商談を見越して、新商品を中心に約2500点を展示したショールームを新設しました。近年、インバウンドの増加でホテルや旅館が活気を取り戻し、サービス向上に向けた器の視察や買い入れも増えています。実際の商品を手にとって見てもらい、ユーザーと直接つながることには大きな意義を感じており、ショールームを積極的に活用していきたいと思います。

 ―力を入れていくことは。

 当社の製品は職人の手作りによるものが多く、職人や後継者の確保は大きな課題です。そこで、将来を担う職人を育成するため、販路を持たない若手木工作家などのサポートに注力していきます。また、岐阜県産桧の間伐材を100%使用した合板による「桧プライウッドシリーズ」も、徐々に商品数を増やし、販売を強化してきました。今後も国内外の展示会にて、岐阜県の木材や技術をPRしていきます。

 ―今年の目標を。

 昨年は設備投資以外にも、給与体系や人事考課をはじめとした組織の刷新を行った改革の年でした。それを受けて今年は、新たな仕組みを軌道に乗せ、安定化を図る年にしたいと考えています。その上で、木の器をもっと気軽に使っていただくことを目指した新事業にも取り組んでいきます。