-2024年を振り返って。
4月に上水道の整備・管理が厚生労働省から国土交通省に移管され、業界にとって転換点の年となりました。老朽化した水道設備への抜本的な対策が求められる中、ちょうど1年前にあった能登半島地震では断水が多発し、耐震化に注目が集まりました。今後、国土強靱(きょうじん)化関連予算が増額される見通しなので、課題だった耐震化や設備更新が活発に進むとみています。
-業績状況はどうですか。
順調です。25年6月期は売上高300億円を目指しています。主力事業の橋梁(きょうりょう)では高速道路のNEXCO関連のプレストレストコンクリート(PC)橋梁が業界全体発注量の6割を占め、うち8割が鉄筋コンクリート床版からPC床版に替えるリニューアル工事となっています。現在は中央自動車道、中国自動車道、北陸自動車道、東北自動車道で工事を進めています。更新需要はあと20年程度は続く見通しです。
-人材確保への取り組みは。
新設工事を含め、受注拡大のチャンスがある一方、課題は深刻な人手不足です。生産性向上を図るため、プレキャスト化を推進しています。部材の形状もできる限りシンプルにして、工場製品への転換を進めています。
-注力しているテーマは。
カーボンニュートラルへの対応です。製造工程で多くの二酸化炭素(CO2)を排出するセメント使用量を減らすため、製鉄所で発生する鉄くず「高炉スラグ微粉末」に7割置き換える技術を開発しました。実用化に向けて製品開発を進めています。
-今年の抱負を。
国交省が公共工事品確法にバリュー・フォー・マネー(VFM)の考え方を落とし込み、生産性向上へと動き出しました。われわれ業界のPC橋梁も採用されるようにアピールしていきます。今年も社会インフラの安全安心を守るために社会的責任を果たします。
