―昨年を振り返って。
当社は配置薬と飲料水製造販売が事業の二本柱です。元日の能登半島地震、8月には宮崎県沖の日向灘でマグニチュード7・1の地震が発生して南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表されました。飲料水の需要が急速に高まり、社員が正月や盆休みを返上して出荷に対応してくれました。飲料水は東日本大震災を機に命をつなぐ水の重要性を感じて参入した事業で、水を安定供給する使命を再認識しました。2月には、純粋持ち株会社カワカミホールディングスを設立し、河上薬品商事を中核企業として事業会社11社を統括する新たな体制を構築しました。そして、11月には河上薬品商事が設立50周年を迎えました。売上高が60億円から27億円に減った厳しい時期もありましたが、よく半世紀持ちこたえたと思います。グループの社員は760人になり、2025年3月期は売上高280億円が見込めるようになりました。改めて取引先、社員の皆さんに感謝申し上げます。
―今年注力することは。
配置薬は人口減少による市場の縮小、飲料水事業は競争が激しさを増し、これからの5年間で業界は大きく変わります。気を引き締めて、新たなスタートの年に臨みたいと思います。飲料水事業は今年3月、大きな市場である首都圏に近い群馬県に新工場が稼働する予定です。新工場の本格稼働で2026年3月期は40億~50億円の増収を見込んでいます。当社の飲料水は水質はもちろん、価格競争力が強みです。ペットボトルの軽量化やコストダウンを目的とした投資を計画しており、競争に勝ち、安定的に利益を確保できるよう生産体制を強化します。営業も販売先の新規開拓を推し進めます。ほかにも3、4年前から計画してきた投資が動き出す年になります。会社を永続させ、社員の暮らしを守れるよう一日一日を大切に走り続けます。
