―昨年を振り返って。
2020年から続く土木・建設資材と人件費の高騰で、想定通り新築住宅が建ちづらい状況でした。民間企業もゼネコンがビルや工場の新築や改修を受注したものの、人手不足で着工が遅れるケースがあります。一方、老朽化に伴う行政主体の道路や橋梁の改修などインフラに係る物件は底堅く、我々も携わる高速道路の耐震補強工事も向こう3年以上は工事が続く見通しです。
―主力の製缶・板金製品の動向は。
運搬できるものならどんな大きさでも製作でき、かつ小ロットのオーダーメイド品の要望にも応えられるのが我が社の強み。製缶は機械架台を始めとし、多種多様なニーズに対応しており、売り上げは着実に伸びています。運送コスト、運送労働時間問題を考えて、近場で調達したいとの希望が多く、関東と関西の中間に位置する我々にとっては、物流の2024年問題は追い風になっています。今後は機械架台だけではなく、機械も自社で一体的に製造する展望を描いています。
―力を入れていることは。
弊社で製造し、グループ会社のアグロ・ジャパンで販売している、環境負荷低減型の土壌改良固化材があります。固化材は地盤を固めるもので建設現場には不可欠。GX(グリーントランスフォーメーション)の考え方に基いた、環境負荷低減型土壌改良固化材のさらなる開発に注力したいと考えます。昨年、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、今後さらに販売は増えていくと予測しています。現在、都市部での利用拡大を見据え、低粉塵型固化材の開発を進めています。
―昨年創業60周年を迎えた。
「自他共栄」を社是に、これまでも時代に合わせ、鉄工会社の枠を超えてさまざまな事業を展開してきました。今後も金属部材加工の専門家として、取引先の困り事に製品で応えていければと思います。
