「飛騨高山蒸溜所」を開設する旧高根小学校=岐阜県高山市高根町下ノ向
岐阜県初となるウイスキー専門蒸留所の開設計画を報告した舩坂酒造店の有巣弘城社長(右から2人目)=高山市役所

 岐阜県高山市上三之町の舩坂酒造店が、同市高根町に県内初のウイスキー専門の蒸留所「飛騨高山蒸溜(りゅう)所」を開設する。旧高根小学校の廃校舎を活用し、飛騨高山産ジャパニーズウイスキーを製造する。ウイスキーを学べる体験施設も併設し、来年4月の設備本稼働と、蒸留開始を目指す。

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 高山市東部の高根地域は年間を通して平均気温が低く、ウイスキー製造に適した環境であることから選んだ。また、過疎に直面する地域の思いが詰まった廃校舎を活用することで大切な資産を残し、雇用促進による関係人口の増加にもつなげる狙いがある。

 蒸留所は、現在の体育館に蒸留設備を設け、校舎でウイスキーを貯蔵管理する。蒸留機は、富山県の蒸留所が開発した高岡銅器の梵鐘(ぼんしょう)の製造技術から生まれた「ZEMON(ゼモン)」を導入する。

 総事業費は3億円。十六銀行と高山信用金庫がそれぞれ発行するSDGs私募債で資金調達する。発行手数料の一部を指定先に寄付する仕組みで、高根地域の子どもが通う朝日小、中学校や、旧高根小学校の不動産賃貸借契約を結んだ高山市に寄せる。今月下旬からはクラウドファンディングサイト「マクアケ」で目標額1千万円の支援も募る。

 舩坂酒造店の有巣弘城社長らが高山市役所を訪れ、國島芳明市長にプロジェクトを報告。有巣社長は「世界に誇れるブランドに育てる。地域のプライドとなり、希望を感じてもらえればうれしい」と力を込めた。

 4月下旬に旧高根小学校の修繕に着手し、来年4月に設備本格稼働と蒸留を開始する。ウイスキーは完成するまで約3年かかるため、販売開始は26年4月以降を見込む。