防空システム「パトリオット」を背に演説するウクライナのゼレンスキー大統領=2024年6月、ドイツ北東部(ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】米紙ニューヨーク・タイムズは4日、ウクライナに防空システム「パトリオット」が追加配備される可能性があると報じた。パトリオットは現有の防空兵器で最も高性能だとして、ウクライナが早急な供与を求めていた。トランプ大統領の判断待ちとみられ、実現すればウクライナ支援に消極的だった米政権の姿勢が好転する兆しと言えそうだ。

 ロシアは4月下旬、ミサイルや無人機で首都キーウを集中攻撃し、少なくとも12人が死亡、約90人が負傷した。ゼレンスキー政権は、現在の防空態勢では全てのミサイルを撃墜することは不可能だと訴えていた。

 ロシア寄りだったトランプ政権は、これまでウクライナの要求に厳しい反応を示していたが、4月のバチカンでの首脳会談以降、資源開発協定に署名するなど関係改善に動いている。

 ニューヨーク・タイムズによると、イスラエルから1基を移送し、ドイツかギリシャから1基を送る計画。

 ウクライナは現在、パトリオット6基を運用し、2基を改修中。計画が実現すれば最大10基の運用が可能となる。