三菱自動車は7日、台湾の鴻海精密工業グループが開発した電気自動車(EV)の供給を受けることで合意し、覚書を締結したと発表した。鴻海傘下のEVメーカーが開発した車を提携先の台湾の裕隆汽車製造が生産し、三菱自ブランドのEVとして2026年後半にオーストラリアやニュージーランドで発売する。鴻海が開発したEVを日本の自動車メーカー向けに提供するのは初めて。
三菱自は、日産自動車からも新型リーフをベースとしたEVの供給を受け、26年後半に北米市場で販売する。オーストラリアなどへの投入も今後検討する。
EV事業拡大を掲げる鴻海はこれまで、経営統合協議が破談となったホンダや日産との連携にも意欲を見せている。裕隆は日産とも提携関係にあり、協業の広がりに向けた対応が焦点となりそうだ。
高機能のソフトウエアや高価な電池などを備えるEVの開発には多額の資金が必要となる。三菱自は、軽EV「eKクロスEV」を日産と共同開発するなど、近年、他社との協業でラインアップを拡充する姿勢を鮮明にしている。