シャープは12日、中小型液晶パネルを生産する亀山工場(三重県亀山市)の第2工場を、2026年8月までに親会社である台湾の鴻海精密工業に売却すると発表した。液晶事業の縮小の一環。亀山工場は04年に稼働を開始し、かつて生産された液晶テレビは「世界の亀山モデル」としてシャープのブランド向上に寄与した。
同日公表した25年3月期の連結決算は、売上高が前期比7・0%減の2兆1601億円、純損益が360億円の黒字(前期は1499億円の赤字)だった。スマートフォンや法人向けのパソコンなどの売り上げが好調だった。純損益は大型液晶パネルの生産を停止した堺工場の一部の売却益を計上し、3年ぶりに黒字を確保した。
28年3月期までの中期経営計画も公表し、中小型液晶パネルを生産する亀山工場の第1工場は、車載向け液晶パネルの生産に集中する方針を示した。白山工場(石川県白山市)は今後、スマホや産業用などの液晶パネルを手がける。二つの工場を合わせた売上高を、28年3月期に2・3倍へ伸ばす計画だという。