自民党の氏制度の在り方に関する作業チーム会合であいさつする逢沢一郎座長＝２２日午前、東京・永田町の党本部

　自民党は２２日、氏制度の在り方に関する作業チーム（ＷＴ、逢沢一郎座長）会合で、選択的夫婦別姓制度を巡る「基本的な考え方」の原案を提示した。制度導入の是非については示さずに、旧姓の単独使用を可能とする基盤整備を進めると明記。ただ推進派から異論が上がるなどしたため、取りまとめは持ち越した。

　原案は政府の旧姓使用に関する取り組みで、不便の多くが解消されたと言及。それでもいまだに不便を感じるとの声があるとして、旧姓の単独使用を可能とする基盤整備を進めると主張した。

　選択的夫婦別姓への賛否が割れている現状を念頭に、社会の分断を招くことがないよう十分に留意することも盛り込んだ。

　ＷＴは次回会合で、基本的な考え方に関して逢沢氏への一任を取り付けたい考え。夏の参院選公約への書きぶりや、野党による関連法案提出を受けた今後の国会対応を整理する狙いがある。

　自民は夫婦別姓の対案で検討する「旧姓使用拡大案」の制度設計にも時間がかかるとして、独自法案の今国会提出を見送る方向だ。