【ベルリン共同】北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、ロシアに隣接するバルト3国のリトアニアで、ドイツ軍の部隊駐留が始まった。駐留部隊は5千人規模となる見通しで、国外常駐は第2次大戦後初めて。ドイツのメルツ首相は22日、リトアニアの首都ビリニュスで開かれた発足式で「NATOはドイツを頼ることができる。私たちは責任を果たす」と述べた。
ウクライナ侵攻を受け、NATOは東部の防衛強化を進める。トランプ米政権が欧州の安全保障への関与に消極的な姿勢を示す中、メルツ氏は欧州の安保強化や自国の防衛増強を最優先事項に掲げている。
メルツ氏は発足式で、第2次大戦中にナチス・ドイツの侵攻を受けたリトアニアが部隊常駐を受け入れたことに謝意を示した上で「ドイツ軍にとって、新たな時代に向けた一歩だ」と述べた。
リトアニアはロシアの飛び地カリーニングラードや、ロシアの同盟国ベラルーシに接している。