名古屋市は30日、市立小で28日にエタノールを使った理科の実験をしていた児童1人が右腕にやけどを負ったと発表した。迎えに来た保護者と病院を受診したところ、状態が重く、現在手術に向けて入院中という。担当講師がエタノール入り試験管を入れたビーカーを直接ガスこんろで熱するよう誤った指導をし、エタノールに引火しやけどした。

 市教育委員会によると、植物の葉にデンプンがあるかを調べる実験で、本来はエタノールが入った試験管を湯せんすることになっていた。引火の危険性があるため教科書には火を近づけないよう記載されているが、湯せんでは時間がかかるとして自己判断でこんろを使用。講師は「エタノールの取り扱いに関する認識が甘かった」と話しているという。

 学校側は受診が必要だと認識したが患部を冷やし保護者に連絡するにとどめ、救急搬送の対応は取らなかった。市教委は児童の保護者に経緯を説明し謝罪。全市立学校に正しい手順で実験を行うよう注意喚起した。