30日、パレスチナ自治区ガザの通りを歩く人々(ゲッティ=共同)
 パレスチナ自治区ガザで、給水車の脇に並ぶ人たち=5月31日(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】イスラム組織ハマスは5月31日、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、米国のウィットコフ中東担当特使が示した新たな停戦案への回答を提出したと発表した。同意したかどうかは明確にしていない。ハマス関係者は、恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤収を巡り、修正などを求めたと表明した。

 米側は31日、ハマスの回答を「受け入れられない」と指摘。停戦案に同意したイスラエル首相府は「ハマスが拒否を続けている」と批判。トランプ米大統領は30日、イスラエルとハマスの合意が「大変近づいている」と述べたが、早期実現は不透明だ。

 イスラエルメディアによると、ウィットコフ氏の案では60日間の停戦中、ハマスが人質10人と18人の遺体を解放、引き渡し、イスラエルが収監するパレスチナ人1200人以上を釈放する。この間に恒久停戦への交渉を行うとしている。

 ハマスは31日の発表で、ウィットコフ氏の案のうち、身柄交換には前向きな姿勢を示した。一方、別のハマス関係者は、恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤収を明確に説明していないなどと不満を訴えた。