【ワシントン共同】トランプ米大統領は30日、自身の交流サイト(SNS)で、輸入する鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を現行の25%から50%に倍増する考えを示した。6月4日から適用するとしている。世界各国が対象になるとみられ、市場の混乱につながる恐れもある。

 日本鉄鋼連盟によると、2024年の鉄鋼の輸出は全体で3171万トンだった。うち米国向けは121万トンにとどまっており、直接的な影響は限定的だとみられる。ただ、鉄鋼の生産量が世界最大の中国による過剰生産が指摘されており、米国の追加関税で締め出された安価な製品が市場に出回れば日本メーカーに打撃となる可能性もある。

 トランプ氏はSNSに「鉄鋼、アルミニウム産業の労働者にとって素晴らしいニュースとなるだろう」と書き込んだ。

 鉄鋼とアルミニウムを巡っては、第2次トランプ政権で品目別に課すものとしては第1弾となる25%の追加関税を3月12日に発動した。中国などから安価な製品が流入するのを防ぎ、国内の産業を保護することを目的にしている。