5月31日、ウクライナ東部ドネツク州スラビャンスク近郊でロシアの空爆を受けた住宅地(ゲッティ=共同)
 ウクライナ東部ドネツク州で、ロシア陣地に向けて砲撃するウクライナ軍の兵士=5月30日(ロイター=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ和平に向けた同国とロシアの直接交渉に関し、米シンクタンク、戦争研究所は5月31日までに、次回会合が開かれても「実質的な結果をもたらす可能性は極めて低い」とする分析を発表した。

 ロシアは3年ぶりとなった5月16日に続き、6月2日にトルコ・イスタンブールでの次回交渉開催を提案。停戦条件などを記した覚書を示す用意があるとしている。ウクライナは交渉進展のため事前に覚書を示すよう求め、応じるかどうかは明言していない。

 戦争研究所は5月30日発表の分析で、ロシアが米欧からウクライナへの武器供給停止など従来の要求を強調し、前回と同じ「低いレベル」の代表団を送ることに決めたと指摘。「ロシアは誠実な交渉に無関心なままだ」とし、交渉を長引かせ、欧米からさらなる譲歩を引き出そうとしていると結論付けた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、トルコのエルドアン大統領と電話会談し、直接交渉が「単に象徴的であってはならない」との考えで一致した。