バングラデシュのラーマン初代大統領の肖像が印刷された旧紙幣=5月31日、バングラデシュ・ダッカ(共同)

 【ニューデリー共同】バングラデシュの中央銀行は1日、新紙幣の発行を始めた。旧紙幣には「建国の父」とされるラーマン初代大統領(1920〜75年)の肖像が印刷されていたが、国会議事堂や寺院に変わった。ラーマン氏は昨年政権を追われたハシナ前首相の父で、暫定政権によるハシナ氏排除の意向が浮き彫りになった。

 中銀によると、デザインが変更されたのは20タカ(約24円)、50タカ、千タカの3種類。千タカの表面には独立記念碑、裏面には国会が印刷された。20、50タカは宮殿や寺院となった。

 100タカなど他の紙幣も近くデザインを変える。旧紙幣は当面、新紙幣と同時に流通する。

 強権政治を続けたハシナ氏は昨年8月、学生デモの激化で首相辞任に追い込まれ、隣国インドに逃れた。バングラデシュメディアによると、検察は今月1日、デモ弾圧で多数を死傷させたとして「人道に対する罪」でハシナ氏を起訴した。ただ、ハシナ氏と良好な関係を維持してきたインドは身柄引き渡し要求に応じていない。