1974年10月14日、「背番号3」がバットを置いた。長嶋茂雄さんが現役最後の試合となる中日とのダブルヘッダーに出場し、後楽園球場を埋めた満員のファンに別れを告げた。
2日前の12日に中日のリーグ優勝が決まり、巨人の10連覇が阻まれた。長嶋さんはその日の神宮球場でのヤクルト戦の後に引退を表明。翌13日の試合は雨で流れ、現役最後の日を迎えた。
第1試合は「3番・三塁」で、第2試合は「4番・三塁」でフル出場。第1試合の四回に通算444本目の本塁打を左翼席へ運んだ。王貞治さんも七回に3ランを放ち、通算106度目の「ON」アベックアーチとなった。
すっかり日が落ちた第2試合終了後に、長嶋さんの引退セレモニーが行われた。「ミスターG 栄光の背番号3」と映し出された大型ビジョンを背に、「私は今日、引退をいたしますが、わが巨人軍は永久に不滅です」の名せりふを残して17年間の現役生活にピリオドを打った。