米首都ワシントンのFRB本部

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)は4日公表した全国12地区の連邦準備銀行の景況報告(ベージュブック)によると、半数の6地区で経済活動が緩やかに鈍化した。全地区が、米政権の政策や経済の不確実性が高まり、企業と家計の慎重姿勢につながっていると報告した。3地区の経済活動は横ばいで、残りの3地区はわずかに拡大した。

 5月23日までの報告をまとめた。6月17、18両日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)の討議資料とする。

 トランプ政権の高関税措置で懸念される物価に関し、多くの担当者が、コストと価格の上昇ペースが今後加速すると回答。3カ月以内に、コスト増が販売価格に転嫁されるもようだと指摘した。

 ボストン連銀は「不確実性の高まりで、企業は採用活動を停止し、雇用はわずかに減少した」と説明。ニューヨーク連銀は「設備投資計画は縮小し、見通しは非常に悲観的だった」と指摘した。

 全体的な経済活動は4月以降「わずかに鈍化した」と分析した。