戦後80年の戦没者慰霊のため、沖縄県に出発される天皇、皇后両陛下と愛子さま=4日午前、羽田空港
 国立沖縄戦没者墓苑を訪れ、納骨堂前に供花された天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=4日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園

 天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは4日、戦後80年に際して沖縄県を訪れ、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑で供花し、太平洋戦争末期の沖縄戦の犠牲者を慰霊された。愛子さまの沖縄訪問は初めて。宮内庁によると、両陛下の強い意向で同行が決まった。

 ご一家は、沖縄戦で亡くなった約18万人の遺骨を納める納骨堂に花を手向け、深く拝礼した。見守った遺族ら一人一人と言葉を交わした。

 その後、犠牲者らの名前を刻んだ「平和の礎」を回り、県平和祈念資料館で沖縄戦に関する展示を見学した。戦争体験者や「語り部」の若者とも懇談した。

 沖縄戦は1945年4月、米軍が本島に上陸し、激しい地上戦に多くの住民が巻き込まれた。日米双方で計20万人以上が死亡した。

 ご一家はこの日、羽田発の特別機で沖縄入りした。1泊2日の日程で、5日は戦中に学童疎開船「対馬丸」が米潜水艦に撃沈され、1500人近くが亡くなった事件の慰霊碑などに足を運ぶ。

 両陛下は戦後80年の戦没者慰霊として4月に硫黄島を訪れた。6月19、20日に広島、9月に長崎を訪問する。