原爆死没者名簿に氏名を書き加える森田孝子さん=5日午前、長崎市

 長崎市は5日、新たに昨年8月以降に亡くなったことが分かった被爆者の氏名を、原爆死没者名簿に書き加える作業を始めた。今年7月末までに判明した人を対象に8月5日まで記名を続け、9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典で奉安する。

 被爆2世で書道家の森田孝子さん(77)が、市役所の一室で筆を使って一人一人の氏名や亡くなった日付を丁寧に書き込んだ。取材に「向かい合うたびに高齢の被爆者が亡くなっていて、継承の大切さを感じる。被爆の恐怖を自分の胸に受け止め、安らかにお眠りくださいという思いを持って書き進めたい」と話した。