第三者提供の精子や卵子を使った「提供型特定生殖補助医療」を規定する法案の、今国会での実質的な審議入りが見送られることが5日、複数の関係者への取材で分かった。廃案になることが濃厚となった。法案は2月に自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党が参院に提出したものの、立憲民主と共産の2党が反対。担当する参院内閣委員会では日本学術会議法案などの議論が続いており、今月22日の会期末を前に生殖補助法案の審議は困難となった。
参院議院運営委員会は5月30日、法案の審査を内閣委が担当することを決めたが、実質的な審議には入っていなかった。関係者によると、今夏に参院選があるため「継続審査」の手続きは取らない可能性が高い。
法案は、提供型特定生殖補助医療の対象を、医学的に夫の精子や妻の卵子により妊娠することができない法律婚の夫婦に限定。代理出産は認めていない。精子、卵子のあっせんは許可制とし、利益の授受を禁止。違反した場合の罰則を設けた。