免疫細胞の一種、樹状細胞の「新種」を発見したと、東京科学大などのチームが6日付の米科学誌「サイエンスアドバンシズ」に発表した。これまで樹状細胞は骨髄系の細胞が起源と考えられてきたが、リンパ球系の細胞に由来するタイプだった。新たに見つかった樹状細胞は、マウスでは肺や皮膚に多く存在し、不要な免疫反応を抑え、肺炎や皮膚炎を起きづらくしている可能性がある。
一方、多くの異物にさらされた時は、骨髄系の樹状細胞に比べ、アレルギー反応を過剰に引き起こす性質があった。東京科学大の樗木俊聡教授は「功罪両面の働きを持つようだ。人の体内にも存在するかどうかや、どんな機能を持つかを今後調べたい」と話している。
免疫の細胞は血液のもとの細胞から生まれ、赤血球や好中球などの骨髄系と、T細胞などのリンパ球系に分かれる。樹状細胞は骨髄系とされていた。
チームは、リンパ球系の細胞を追跡できるマウスを作製。肺や皮膚では、T細胞の活性化に関わる樹状細胞のうち約6割がリンパ球系だと突き止めた。