広島県の湯崎英彦知事が7月、韓国人被爆者が多く暮らす韓国の陜川を訪れ、被爆者らと面会する方向で調整していることが5日、関係者への取材で分かった。長崎を含む被爆地の県知事による陜川訪問は戦後初とみられる。被爆80年の節目に現地で意見を交わし、核兵器のない世界に向けた取り組みに生かす考えだ。
広島と長崎では、植民地支配下の徴用などで朝鮮半島から日本へ渡った人たちが被爆。計約7万人が被爆し、約4万人が死亡したとの推計があるが正確な調査はない。陜川には広島から帰国した人が多く住み「韓国のヒロシマ」とも呼ばれている。
関係者によると、訪問は7月中旬で調整。2017年に陜川に開設した韓国初の原爆資料館も視察する予定だ。
戦後の知事による陜川訪問について、広島県は「記録の限りはない」、長崎県は「ない」と回答した。