8日、ガザ南部ハンユニスの病院のベッドに横たわる2歳の子ども(ゲッティ=共同)
 ガザ南部ハンユニスの病院に展開するイスラエル軍の兵士=8日(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの保健当局は8日、ガザにある複数の主要病院の閉鎖が間近に迫っていると警告した。発電機の稼働に必要な燃料の不足が深刻化しているという。イスラエル軍は病院への攻撃を繰り返しているほか、ガザへの物資搬入を大幅に制限し、医療体制は逼迫し続けている。

 国際赤十字は、最南部ラファの野戦病院に過去2週間で933人の負傷者が搬送されたと明らかにした。大半が物資配給拠点に向かっていたといい、うち41人の死亡が確認された。パレスチナ通信は8日、ラファの拠点周辺でイスラエル軍の発砲があり、住民ら13人が死亡したと伝えた。

 配給は米国とイスラエルが主導し設立した団体が実施するが、拠点周辺ではイスラエル軍によるとみられる攻撃が相次ぎ死傷者が続出している。

 一方、イスラエル軍は8日、5月13日に空爆した南部ハンユニスの欧州ガザ病院の地下トンネルから、ハマスのガザ地区トップだったムハンマド・シンワール氏の遺体を収容したと発表した。「地下にハマスの指揮所があった」として攻撃を正当化した。