東京電力は、福島第1原発事故後、同社として初となる再稼働に関し、柏崎刈羽原発7号機(新潟県)を先送りし、6号機を優先する方向で最終調整していることが10日、複数の関係者への取材で分かった。これまで7号機の再稼働を先行させ、昨年6月に技術的な準備を済ませたが、地元同意が見通せず今夏の再稼働が困難となったため方針転換を迫られたとみられる。同日、6号機の原子炉に核燃料の装填を始めた。
7号機は、航空機衝突などに備え、新規制基準で設置が義務付けられたテロ対策施設の建設工事完了が2029年8月に遅れている。そのため今夏に再稼働しても設置期限の今年10月以降は停止する。
一方、6号機は核燃料を入れた後、8月ごろに技術的な準備を整える方針で、テロ対策施設の設置期限の29年9月まで運転が可能となる。
東電と国は従来、電力需要が高まる今夏以降、7号機を再稼働させた上で、さらに6号機も動かすことで、常に1基が運転している状況を目指していた。
同原発の再稼働は地元同意が焦点となっている。