米鉄鋼大手USスチールの買収を完了した日本製鉄は19日、橋本英二会長が東京都内で記者会見し「国際的な供給網が一気に完成する」と表明した。トランプ米政権から買収計画の承認を得る決め手になった「黄金株」は、日鉄から提案したと明かした。米政府との合意についても「経営の自由度と採算性が確保され、十分に満足のいくものだ」と強調した。
USスチールが生産能力の増強が可能なスロバキアの製鉄所を傘下に持つことなどから、約2兆円での買収は「極めて合理的だ」と指摘した。
日鉄は18日、141億ドル(約2兆円)を投じてUSスチール株式の100%取得を終え、完全子会社にした。USスチールは経営上の重要事項に拒否権を持つ黄金株を米政府に発行する。橋本氏は会見で、黄金株を提案した理由について「投資の実行を監督したいという米政府の意向を受け入れた」とし「トランプ政権で正しい判断を得た」と説明した。
米政府は黄金株によってUSスチールの独立取締役1人の選任権を持つ。