堺市や国学院大などは19日、国内最大の前方後円墳で、宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理する大山古墳(同市、5世紀)の副葬品として、金メッキのさやに入った鉄製ナイフ「金銅装刀子」や甲冑の破片を確認したと発表。大山古墳で実物として確認できる唯一の副葬品という。国学院大が入手した新発見の史料で、共同で研究していた。
大山古墳は当時の「大王墓」とされているが、宮内庁が一般の立ち入りを制限している。今回の発見は巨大古墳の実態解明につながる成果となる。金銅さやの刀子は大山古墳が築かれた5世紀には類例がないといい、国内最古とみられる。
見つかった刀子は、金メッキの銅板で覆われたヒノキのさやに、鉄製の刃が収められていた。さやには銀製の留め具「鋲」を5カ所で確認。日鉄テクノロジー(東京都千代田区)によるエックス線CT分析で、銅板は厚さ約0・5ミリ、鋲は長さ約3ミリ、太さ約1ミリと判明した。当時の先端技術を用いて作られたとみられる。
見つかった刀子や甲冑片は、堺市博物館で7月19日から9月7日まで展示予定。