再審制度見直しを議論する法制審議会部会の第3回会合=20日午前、法務省

 再審制度の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)部会の第3回会合が20日開かれ、犯罪被害者遺族や元検察官、元裁判官らへのヒアリングが非公開で行われた。法務省によると、2007年に名古屋市で起きた闇サイト殺人事件で娘を亡くした磯谷富美子さんが「安易に再審ができれば終わらない裁判に人生を奪われる。司法全体の信頼が失われる」と懸念を表明した。

 闇サイト事件では共犯者3人のうち1人の死刑、2人の無期懲役が確定した(1人は別事件でその後に死刑確定)。磯谷さんは裁判が終わるまでが最も苦しかったと吐露。再審請求審での証拠開示に関し「全て開示することになれば、最初の裁判は何だったのかと不信感が生まれる」と述べた。

 元裁判官の中川博之氏は、新たに証拠開示規定を設けることは円滑な訴訟指揮につながるとしつつ「開示範囲が広すぎると争点が拡大し、『第4審』になりかねない」と注文を付けた。

 元検事の田辺泰弘弁護士は「自己の刑事責任から逃れるために再審請求している事案も少なくない」と指摘した。