ローマ字表記の在り方を検討する文化審議会の小委員会は20日、英語の発音に近い「ヘボン式」をつづり方の基本とする答申素案を示した。秋にも文部科学相に答申する。現行の表記方法を定めた1954年の内閣告示が約70年ぶりに改定される見通し。
内閣告示は「し」を「si」と表記する訓令式を用いると定めるが、社会生活では「shi」のヘボン式が浸透。英語表記の影響で長音符号を使わない書き方も広がり、小委員会は統一的な考え方を検討してきた。
素案によると、はねる音「撥音」の「ん」は「n」を統一的に用い、「anman(あんまん)」などとし、つまる音「促音」は最初の子音字を重ね「teppan(鉄板)」などと表記する。
長音は横棒の符号「マクロン」を付ける他、母音字を並べることも可能。「オオカミ」は「☆(マクロン付きO小文字)kami」または「ookami」となる。母音字を並べる場合は現代仮名遣いと同様にし、「大雨」は「ooame」、「王様」は「ousama」と書く。