2024年11月に火災が発生した札幌・ススキノの雑居ビル=24日午前、札幌市中央区

 札幌・ススキノの雑居ビルで2024年11月、5人が死傷した火災で、店に火をつけ従業員を殺害しようとしたとして、北海道警が殺人未遂や現住建造物等放火などの疑いで、死亡した札幌市の男性=当時(41)=を容疑者死亡のまま近く書類送検する方針を固めたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。

 火災は24年11月26日、同市中央区南5条西3丁目のビルで発生。捜査関係者によると、男性は可燃性の液体をバケツに入れてビル内のガールズバーに持ち込み、店内に火をつけた疑いがある。

 道警によると、店に勤めていた元交際相手の女性や客ら男女4人がやけどや一酸化炭素(CO)中毒で重軽傷を負った。男性も全身に重いやけどを負い、意識不明の状態で搬送されたが12月19日に死亡した。

 女性は11月上旬、「別れ話でもめた」と交番に相談。同居を解消して避難していた。道警は男性に女性と距離を置くよう注意したほか、交流サイト(SNS)で自殺をほのめかしたため思いとどまるよう伝えていた。