鮮やかな先制攻撃だった。主砲・小原輝也の2点二塁打に始まる中京初回の5得点は、敵失も含めチームテーマの「低く強い打球」の徹底が生み出した。第107回全国高校野球選手権岐阜大会第2日は、中津川夜明け前スタジアムなど県内5球場で1回戦10試合を行い、第1シードの中京が各務原を五回コールドの10―0で圧倒した。V候補の圧勝発進は、単なる順調スタートにとどまらず、中京最大の課題の得点力不足解消に大きな光明をうかがわせた初戦となった。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

 ◆低く強い打球の徹底 主砲小原のバットが大量点を導く

 高い投手力を誇りながら、ここぞという好機で1本が出ず、秋春とも県準優勝、東海ベスト8。〝得点力〟こそ、中京の夏県王座奪還への最大の課題。直前の練習試合でもこの傾向が顕著で、藤本貴久監督も「点が取れない」と頭を抱える状態だった。

 「初回が大事。チームで意識を徹底してきた」と語る主砲小原が自らのバットで証明し、今夏の扉を開け放った。

中京×各務原=中京1死一、二塁、小原が先制の左翼線2点二塁打を放つ=中津川夜明け前

 先頭・中嶋悠輝が敵失で出塁すると、2番花川仁飛がきっちり送り、3番主将の井之脇陸斗が死球で1死一、二塁となって小原に打席が回ってきた。

 初球。外角まっすぐを徹底してきた低く強い打球で、お手本のように逆方向へ。「飛んだコースがよかった。きっちり役割が果たせた...