小島智信被告、藤田聖也被告(いずれもフィリピン入国管理局提供)

 フィリピンを拠点に「ルフィ」を名乗り広域強盗を指示したとされる特殊詐欺グループの幹部で、強盗致傷ほう助罪などに問われた小島智信被告(47)の裁判員裁判公判が9日、東京地裁で開かれた。被告が勧誘した実行役に、強盗を指示したとされる別の幹部藤田聖也被告(41)が証人として出廷し、小島被告について「2019年10月ごろには、組織のナンバー2で金庫番となっていた」と証言した。

 藤田被告によると、特殊詐欺によるグループの収入は最大で月に2億5、6千万円程度あった。

 これまでの公判で小島被告は自身について「雑用係」などと幹部であることを否定していた。

 起訴状によると、小島被告は2022年10〜12月に山口県岩国市などで起きた強盗致傷事件や強盗未遂事件で、藤田被告に実行役を紹介したとされる。小島被告は、うそをついて窃取したキャッシュカードで計約1500万円を不正に引き出したほか、現金約3800万円をだまし取った罪にも問われた。起訴内容を認めている。