【ロンドン共同】イランの核開発計画を巡り、ノーベル平和賞受賞者で、イランの人権派弁護士シリン・エバディ氏(78)は9日までの共同通信のオンライン取材で「計画を放棄すべきだ」と訴えた。核開発計画を継続する限り、再び米国やイスラエルとの交戦が起きる可能性があるとの懸念を示し、「国民は核開発を望んでいない」と強調した。
イスラエルの先制攻撃に端を発した交戦で、イランでは千人以上が死亡した。ロンドン在住のエバディ氏は「イランの防衛体制がいかに脆弱かが露呈された」と指摘、多数の軍幹部や核科学者が殺害された国防はもろいとした上で、「指導部が厳しく対処できるのは反体制派に対してだけ」と批判した。
核開発計画に加え、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派など親イラン武装勢力への軍事支援にイラン当局が費用をかけるべきではないと強調。欧米諸国による制裁で疲弊する経済を念頭に、「人々が心から求めているのは生活への投資だ」と語った。