2018年に宮城県登米総合産業高(登米市)の1年生だった男性が部活の外部コーチから体罰を受けた問題で、県いじめ防止対策調査委員会は9日、報告書をまとめた。コーチの言動を発端として他の部員との関係で疎外感を持つようになり、いじめに当たる状況があったと認定。学校の情報共有の遅れなど不適切な対応も指摘した。
調査委は、生徒から相談を受けた正顧問の教諭や、管理職の教頭、校長が十分な事実確認や情報共有、保護者対応を実施しなかったと判断。男性が部内で強い疎外感を持ち、不登校に至ることを防げなかったとして「学校としての責任は重い」と結論付けた。
報告書によると、コーチは男性に対し、行動が活発な様子から「サル」と呼び、他の部員と同調して生徒を「むかつく」「生意気」と批判したり、多数の部員の前で厳しく叱責したりしていた。男性はストレスで体調を崩して19年4月に適応障害と診断され、後に別の高校へ転校した。