1985年に520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故の現場、群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に近い村立上野小は18日、マリーゴールドの引き渡し式を同小で開いた。児童49人が育てた花はプランター約150個で、8月12日に追悼慰霊式が営まれる施設「慰霊の園」に飾られる。

 上野小では、事故の記憶を継承しようと、86年から毎年、マリーゴールドを育て続けている。今年は4月末に児童らが種をまいた。遺族に力強く生きてほしいという願い、空の安全への願いも込められている。

 式では児童4人が、オレンジや黄色のマリーゴールドが咲いたプランターを黒沢八郎村長に手渡した。6年の滝上実織さん(11)は取材に、マリーゴールドを育てる取り組みの中で事故のことを知ったとし「遺族の方を思い、水やりや草むしりを丁寧に行う大切さを下級生に伝えた」と語った。黒沢村長は「記憶の伝承を続けることに大きな価値がある」と述べた。

 梯直人校長は「みんなで花を育てた。子どもたちには事故を忘れずに安全の意識を広めてほしい」と話した。