京都アニメーション放火殺人事件の現場となった第1スタジオ跡地で開かれた追悼式=18日午前、京都市伏見区(同社提供)

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年の京都アニメーション放火事件から18日で6年。京都府宇治市に本社を置き、事件で第一線で活躍したアニメーターを含む多くのスタッフを失い、今も職場に復帰できていない人がいる。一方で、社員数は事件前を超え、事件後初となる「完全新作」のテレビ放送も今月から始まるなど、復興へ着実な歩みを見せている。

 同社の代理人弁護士によると、事件前に約170人だった社員数は、今月時点で186人。うち84人は事件後に入社した。新規採用にも積極的で、応募も多いという。

 事件後の作品は、映画とテレビシリーズを合わせて11作品。完全新作の「CITY THE ANIMATION」は、あらゐけいいちさんの漫画が原作で、事件後に構想、制作された。今月から放送が始まった。

 亡くなった武本康弘さん=当時(47)=が監督を務めたテレビアニメ「小林さんちのメイドラゴン」シリーズの映画化も事件後に進められ、6月に劇場公開された。

 弁護士は同社の制作力について「全体の力は年々増していると感じる」と話した。