「分かりやすい版」母子健康手帳の表紙

 知的障害がある親の子育てを支援しようと、大学教授の研究班が易しい言葉やイラストを使った「分かりやすい版」母子健康手帳を国の科学研究費で作成した。外国人には外国語版、視覚障害者には点字版が既にあるが、知的障害者向けの母子手帳は初めて。

 「大阪手をつなぐ育成会」のホームページから無料でダウンロードできるほか、希望する自治体には印刷して配布する。研究班は「知的障害のグレーゾーンの人を含め、必要としている人はたくさんいるはず。子育て支援の現場で活用してほしい」と話している。

 研究班はびわこ学院大の藤澤和子教授(特別支援教育)と、西南女学院大の杉浦絹子教授(看護学)の2人。

 作成した母子手帳はA5判で74ページ。国が定める様式に準拠した内容になっている。漢字にふりがなを振ったり、一文を短くしたりしたほか、難しい用語は分かりやすい言葉に変更。視覚的に伝わるようイラストも多く盛り込んだ。

 通常の母子手帳と併用するか、単体でも使用できるかは自治体によって異なる。