宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターでH3ロケット6号機のエンジン燃焼試験を実施した。従来と違って本体脇に補助ロケットを付けないシンプルな構成で、価格の低減を狙う。試験は打ち上げ本番に向けた最終関門。取得したデータを今後、詳しく分析する。
試験は午前6時15分に開始。発射場でカウントダウンし、台に固定したまま点火した。ごう音とともに燃焼が継続、機体の下では高温の噴煙から設備を守るため水をかけており、大量の白い湯気が立ち上った。
機体は全長約57メートル。液体燃料を使う本体のエンジンが3基、固体燃料を使う脇の補助ロケットが0基の構成から「3―0形態」と呼ばれる。JAXAによると、液体燃料のみで大型ロケットを打ち上げる試みは日本初。価格は6月に引退したH2Aロケットの半額、50億円程度とみられる。
補助ロケットを使う形態より打ち上げ能力が低いため、需要は一度に多くの衛星を積みたい企業より、比較的小型の衛星を打ち上げる政府が中心になる見込み。