福島県知事宛ての要望書を担当者に提出する、東電福島第1原発事故の集団訴訟で原告団長を務める中島孝さん(右)=5日午前、福島市

 関西電力による美浜原発(福井県美浜町)の原発新設に向けた地質調査の実施方針について、東京電力福島第1原発事故で国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の原告団と弁護団は5日、福島県の内堀雅雄知事に対し、方針を撤回すべきだと県として表明するよう求める要望書を提出した。

 要望書は関電の方針が事故から14年以上経過した現在も被害が続く福島の実態を踏まえておらず、事故の教訓を無視するものだと指摘。被害者をないがしろにしており、原子力事業者としての適格性を強く疑わせると訴えた。

 関電は2010年に美浜原発1号機の建て替えを目指して調査を開始したが、福島の原発事故の影響で止まっていた。