東大院特任准教授だった大沢昇平氏が、交流サイト(SNS)上で自身の教え子を装った元同僚の渡辺英徳東大院教授から中傷されたとして、330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は6日、投稿は名誉毀損に当たるとして22万円の支払いを命じた。
判決によると、大沢氏がツイッター(現X)での差別的な投稿を理由に東大を懲戒解雇された2020年、渡辺氏は「大沢昇平の元学生」と名乗るアカウントを作成。大沢氏に精神疾患があるなどと中傷する投稿を繰り返した。
阿部雅彦裁判長は、身分を偽った投稿が「閲覧者の評価を誤らせる恐れが高い」と認定。投稿は人格的に非難する侮辱行為だとし、実際に学生から聞いた内容を含むとの渡辺氏の主張を、裏付けがないと退けた。私的な悪感情から、社会的評価を低下させようとした可能性があると指摘した。
その上で、東大の調査委員会が、大沢氏がハラスメントに該当する言動を学生にしていたと認めたことを踏まえ、賠償額を算定した。